解説記事

【完全版】RFPの書き方|提案依頼書作成手順とテンプレート

2025年7月4日

【完全版】RFPの書き方|提案依頼書作成手順とテンプレート

RFP(提案依頼書)は、システム開発会社や業務委託先から最適な提案を引き出すための重要な文書です。発注側企業がRFPを作成する際には、自社の課題を明確にし、具体的な要件を記載することが成功の鍵となります。本記事では、RFIやRFQとの違いから、実際のRFP作成手順、記載すべき項目まで、発注者が知っておくべき全てのポイントを解説します。

RFPとは?提案依頼書の基本概念を解説

RFP(Request for Proposal)の定義と目的

RFPとは「Request for Proposal」の略称で、日本語では「提案依頼書」と呼ばれています。発注側企業がシステム開発会社や業務委託先に対して具体的な提案を求める際に作成する重要な文書です。

RFPの目的は、発注側が抱える課題や要求を明確に伝え、受注側から最適な解決策を提案してもらうことにあります。単なる見積依頼書とは異なり、RFPでは技術的な要件や業務要件、プロジェクトの背景などを詳細に記載して、より具体的な提案を依頼します。

情報システムの導入やWebサイトの開発など、複雑なプロジェクトを成功に導くためには、発注者と受注側が共通の理解を持つことが不可欠です。RFPを作成することで、プロジェクトの全体像を明確化し、最適な発注先を選定できるようになります。

発注側企業がRFPを作成する理由

発注側企業がRFPを作成する主な理由は、自社の課題を明確にし、システム開発会社から質の高い提案を引き出すためです。RFPを作成する際には、現在の業務プロセスや抱えている問題点を整理し、どのような解決策が必要かを具体的に記載します。

また、RFPの作成は発注側にとって要件定義の第一歩でもあります。プロジェクトの目的や成果物、予算、スケジュールなどを明確にすることで、受注側から実現可能で効果的な提案を受けることができます

複数のシステム開発会社からの提案を比較検討する際にも、RFPは重要な役割を果たします。統一された条件で提案を依頼することで、公平で客観的な評価が可能になり、最適な発注先を選定できるのです。

システム開発会社との連携におけるRFPの重要性

システム開発会社との連携において、RFPは発注側と受注側をつなぐ重要な橋渡し役を担います。RFPに記載された情報をもとに、システム開発会社は技術的な実現方法や開発手法、必要なリソースなどを検討し、具体的な提案を作成します。

RFPの品質は、プロジェクトの成功を大きく左右します。曖昧な要件や不明確な記載があると、受注側の提案もぶれてしまい、結果的にプロジェクトの失敗につながる可能性があります。逆に、詳細で明確なRFPを作成することで、システム開発会社からより精度の高い提案を受けることができます。

また、RFPは契約の基礎となる文書でもあります。プロジェクト開始後に発生する可能性のある認識の齟齬を防ぎ、スムーズな開発進行を実現するためにも、RFPの作成には十分な時間と労力をかけることが重要です。

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RFPとRFI・RFQとの違いを明確に理解しよう

RFI(Request for Information)との違い

RFIとは「Request for Information」の略称で、「情報提供依頼書」を意味します。RFPとRFIの違いは、依頼する内容の性質にあります。RFIは情報収集を目的とし、市場調査や技術動向の把握、ベンダーの能力確認などに使用されます。

RFIを作成する際には、まだ具体的なプロジェクトが決定していない段階で、幅広い情報を収集することが一般的です。例えば、新しい情報システムの導入を検討している段階で、どのような技術やサービスが利用できるかを調査する目的で活用されます。

一方、RFPは具体的なプロジェクトが決定し、発注先を選定する段階で使用されます。RFIで収集した情報をもとに要件を固め、RFPを作成してより具体的な提案を依頼するという流れが一般的です。

RFQ(Request for Quotation)見積依頼書との違い

RFQとは「Request for Quotation」の略称で、「見積依頼書」を意味します。RFPとRFQの違いは、依頼する内容の範囲と詳細度にあります。RFQは主に価格情報の取得を目的とし、仕様が明確に決まっている場合に使用される一方、RFPはより包括的な提案を求めます。

RFQを作成する際には、製品やサービスの仕様が既に確定しており、複数の業者から価格を比較したい場合に活用されます。例えば、特定のソフトウェアライセンスの購入や、決まった仕様での開発作業の見積を取る際に使用されます。

RFPでは価格だけでなく、技術的なアプローチ、開発手法、スケジュール、体制などを総合的に提案してもらうことが目的となります。システム開発会社に対して、どのような解決策が最適かを含めて提案を依頼するのがRFPの特徴です。

発注側が使い分けるべきタイミング

発注側がRFI、RFP、RFQを使い分けるタイミングは、プロジェクトの進行段階によって決まります。まず、プロジェクトの企画段階では、RFIを使用して市場調査や技術情報の収集を行います。

次に、要件が固まり発注先を選定する段階では、RFPを作成してシステム開発会社から具体的な提案を受けます。この段階では、技術的な実現性や開発アプローチなどを総合的に評価することが重要です。

最後に、仕様が確定し価格比較が主目的となる場合には、RFQを使用します。例えば、開発手法や技術要件が決まっており、複数のベンダーから価格を比較したい場合に活用されます。このように、プロジェクトの段階に応じて適切な文書を使い分けることで、効率的な調達を実現できます。

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RFPを作成する目的とメリット

自社の課題を明確にするメリット

RFPを作成する最大のメリットの一つは、自社の課題を明確にできることです。RFPを作成する際には、現在の業務プロセスや抱えている問題点を詳細に分析し、文書化する必要があります。この作業を通じて、発注側企業は自社の真の課題を深く理解することができます。

多くの企業では、日常業務に追われる中で、根本的な課題が明確になっていないことがあります。RFPの作成プロセスでは、現状分析から始まり、理想的な状態を定義し、そのギャップを埋めるための要件を整理します。この作業により、表面的な問題だけでなく、根本原因も明確になります。

また、RFPを作成することで、社内の関係者間での認識共有も進みます。IT担当者、業務部門、経営層など、異なる立場の関係者が同じ文書を見ることで、プロジェクトの目的や課題について共通の理解を持つことができるのです。

発注先選定の根拠を明確化

RFPを作成することで、発注先選定の根拠を明確化できます。統一された条件で複数のシステム開発会社から提案を受けることで、客観的で公正な比較評価が可能になります。RFPに記載した評価基準をもとに、技術力、実績、価格、スケジュールなどを総合的に判断できます。

発注側企業にとって、なぜその業者を選んだのかという説明責任を果たすことも重要です。特に大規模なプロジェクトでは、経営層や監査部門に対して選定理由を明確に説明する必要があります。RFPをもとにした評価プロセスがあることで、透明性の高い選定が可能になります。

さらに、RFPを通じて受注側の提案内容を詳細に検討することで、各社の強みや特徴も明確になります。単純な価格比較だけでなく、自社の要件に最も適した提案を選択できるようになるのです。

プロジェクトリスクの回避効果

RFPの作成は、プロジェクトリスクの回避に大きな効果を発揮します。要件を明確に定義し、受注側と共有することで、プロジェクト開始後の認識齟齬を防ぐことができます。曖昧な要件のままプロジェクトを開始すると、後から追加要件が発生したり、期待していた成果物と異なる結果になったりするリスクがあります。

また、RFPでは予算やスケジュールの制約も明確に記載するため、現実的でない提案を事前に排除できます。システム開発会社からの提案段階で実現可能性を十分に検討してもらうことで、プロジェクトの成功確率を高めることができるのです。

さらに、RFPは契約の基礎となる文書でもあります。プロジェクト期間中に発生する可能性のある課題や変更要求に対しても、RFPに記載された内容を基準として対応できるため、プロジェクト管理の効率化にもつながります。

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RFPの基本構成要素と記載項目

自社の基本情報と現状課題

RFPを作成する際に最初に記載すべき項目は、発注側企業の基本情報と現在抱えている課題です。自社の業界、規模、事業内容を明確に記載してもらうことで、システム開発会社側も適切な提案を検討できるようになります。

現状課題の記載では、具体的な問題点と解決したい事項を明確に示すことが重要です。例えば、既存システムの処理速度が遅い、データの一元管理ができていない、業務効率が悪いなど、詳細な状況を記載してもらいましょう。

情報システムの現状についても、使用している技術やソフトウェア、データベースの種類、運用体制なども含めて記載することで、発注先が技術的な提案をしやすくなります。

プロジェクトの目的・背景・要件

RFPの構成において、プロジェクトの目的と背景は発注者の意図を伝える重要な要素です。なぜこのプロジェクトを実施するのか、どのような成果を期待しているのかを明確に記載してください。

機能要件では、システムに求める具体的な機能を詳細に記載します。非機能要件では、性能、セキュリティ、可用性、保守性などの品質要件を明確に定義する必要があります。

業務委託の範囲も明確に記載してもらいましょう。設計、開発、テスト、導入、保守のどの工程まで依頼するのか、また納期や予算の制約についても記載することで、システム開発会社が適切な提案を作成できます。

技術情報とシステム要件

技術情報の記載では、推奨する技術スタック、開発言語、データベース、インフラ環境などを具体的に記載します。既存システムとの連携が必要な場合は、APIやデータ形式についても詳細に記載してもらう必要があります。

システム要件では、処理能力、同時接続数、データ容量、レスポンス時間などの性能要件を数値で明確に記載してください。セキュリティ要件では、認証方式、暗号化、アクセス制御などの要求事項を詳細に記載することが重要です。

提案依頼書の提出条件と評価基準

RFPを作成する際は、提案書の提出条件を明確に記載してもらいましょう。提出期限、提出方法、提案書の形式、必要な添付資料などを具体的に記載します。

評価基準では、技術力、価格、実績、体制、スケジュールなどの評価項目とその配点を明確に記載してください。発注側企業が重視する項目を明確にすることで、システム開発会社側も適切な提案を作成できるようになります

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システム開発会社向けRFP作成の具体的手順

RFPを作成する際の事前準備

RFPを作成する前に、社内でのプロジェクト体制を整備しておくことが重要です。IT担当者、業務担当者、経営陣の役割分担を明確にし、RFPの内容についてステークホルダー間で合意を取っておきましょう。

現状システムの調査も事前に実施してください。システムの構成、データの流れ、業務フロー、既存の問題点などを整理しておくことで、RFPに必要な情報を漏れなく記載できます。

予算の設定も重要な事前準備です。開発費用だけでなく、導入後の運用コスト、保守費用も含めて検討し、適切な予算範囲を設定しておきましょう。

業務委託における要件定義の書き方

業務委託でのRFP作成では、委託する業務の範囲を明確に定義することが重要です。要件定義、設計、開発、テスト、導入、保守のどの工程を委託するのか、また各工程での成果物を明確に記載してください。

RFPの作成時には、発注者側の責任範囲も明確に記載してもらいましょう。情報提供、承認プロセス、テスト環境の準備など、発注側企業が担当する作業を明確にすることで、プロジェクトの円滑な進行が可能になります。

契約条件についても記載してください。支払条件、知的財産権の扱い、機密保持、責任範囲などを明確に記載することで、後のトラブルを避けることができます。

発注者が明確にすべき技術仕様

技術仕様では、システムアーキテクチャ、開発環境、運用環境を詳細に記載してください。クラウドサービスを利用する場合は、利用するサービス名や構成も明確に記載してもらいましょう。

データ移行についても詳細に記載してください。既存システムからのデータ移行が必要な場合は、データの種類、形式、件数、移行方法などを具体的に記載することが重要です。

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効果的なRFP作成のポイントとコツ

受注側から良い提案を引き出す記載方法

システム開発会社から質の高い提案を引き出すためには、RFPの記載内容を工夫する必要があります。単に仕様を列挙するだけでなく、ビジネス上の課題や期待する効果を明確に記載してください。

提案の自由度も適切に設定しましょう。必須要件と希望要件を明確に分け、システム開発会社が創意工夫できる部分を残すことで、より良い提案を引き出すことができます。

参考情報として、他社での成功事例や業界のベストプラクティスについても言及してもらいましょう。これにより、受注側がより具体的で実践的な提案を作成できるようになります。

情報システム導入時の注意点

情報システムの導入時には、既存システムとの連携やデータ移行が重要な課題となります。RFPには、現在使用している情報システムの詳細な情報を記載し、新システムとの連携方法を明確にしてください。

セキュリティ要件も重要な注意点です。個人情報の取り扱い、アクセス権限の管理、データの暗号化など、セキュリティに関する要件を詳細に記載してもらいましょう

運用開始後のサポート体制についても記載してください。障害対応、定期メンテナンス、システムの拡張などについて、どのようなサポートを期待するのかを明確に記載することが重要です。

発注側企業が避けるべき失敗例

RFPを作成する際によくある失敗例として、要件が曖昧で具体性に欠けるケースがあります。「使いやすいシステム」「高性能なシステム」といった抽象的な表現ではなく、具体的な数値や条件を記載するようにしましょう。

予算の記載についても注意が必要です。予算を全く記載しない、または現実的でない予算を設定すると、適切な提案を受けることが困難になります。市場相場を調査し、適切な予算範囲を設定してください。

納期についても現実的な設定が重要です。システムの規模や複雑さを考慮せず、過度に短い納期を設定すると、品質の低下やコスト増加の原因となります。

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業界別・用途別RFP作成のポイント

Webサイト開発におけるRFP作成

Webサイト開発のRFPを作成する際は、サイトの目的と目標を明確に記載してください。企業サイト、ECサイト、Webアプリケーションなど、用途に応じて必要な機能や性能要件が異なります。

デザイン要件では、ブランドイメージ、ターゲットユーザー、参考サイトなどを具体的に記載してもらいましょう。また、レスポンシブデザイン、アクセシビリティ、SEO対策についても要件を明確に記載してください。

Webサイトの運用についても考慮してください。コンテンツ管理システム(CMS)の要件、更新頻度、アクセス解析、セキュリティ対策などを詳細に記載することが重要です。

情報システム導入時のRFP構成

情報システムの導入では、RFPの構成を業務フローに合わせて整理することが重要です。現在の業務プロセスと新システムでの業務フローを明確に記載し、システム化の範囲を明確にしてください。

既存データの移行についても詳細に記載してください。データの種類、形式、件数、品質、移行スケジュールなどを具体的に記載することで、システム開発会社が適切な移行計画を提案できます。

ユーザー教育や運用サポートについても考慮してください。システムの利用者数、スキルレベル、研修の必要性などを記載し、導入後のスムーズな運用開始を支援してもらいましょう。

業務委託契約でのRFP活用法

業務委託契約でRFPを活用する場合は、委託する業務の範囲と責任分担を明確に記載してください。発注者側の作業範囲、承認プロセス、成果物の検収基準などを詳細に記載することが重要です。

契約条件についても記載してください。支払条件、納期、変更管理、知的財産権、機密保持などの条件を明確に記載することで、後のトラブルを避けることができます。

プロジェクト管理についても考慮してください。進捗報告の頻度、課題管理の方法、品質管理の基準などを記載し、プロジェクトの円滑な進行を支援してもらいましょう。

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RFP作成後の運用と管理方法

発注先からの提案評価方法

RFPを作成し、システム開発会社から提案を受けた後は、適切な評価方法を設定することが重要です。発注側企業は、事前に定めた評価基準に従って、客観的な判断を行う必要があります。

評価の際には、RFPに記載した要件に対する回答の適合性を確認します。技術的な提案内容だけでなく、プロジェクトの目的達成に向けた具体的なアプローチや、発注者の課題解決に対する理解度も重要な評価ポイントとなります。

システム開発会社からの提案書は、以下の観点から評価することが効果的です。

  • RFPに記載された要件への適合度
  • 技術的な実現可能性と妥当性
  • プロジェクト管理体制の充実度
  • コストと品質のバランス
  • 過去の実績と経験値

発注側は、RFPをもとにした評価基準を明確に設定し、複数の提案を公平に比較検討することで、最適な発注先を選定できます

RFPをもとにした契約交渉のポイント

RFPの内容は、契約交渉の重要な基盤となります。発注側企業は、RFPに記載した要件と、システム開発会社からの提案内容を照らし合わせながら、具体的な契約条件を詰めていきます。

契約交渉の際には、RFPで明確にした要件に対する追加変更や、想定外の費用発生を避けるため、詳細な仕様確認を行います。特に、システムの機能要件や非機能要件について、双方の認識を一致させることが重要です。

業務委託契約では、成果物の品質基準、納期、保守・運用体制についても、RFPの内容をベースに詳細を決定します。発注者は、プロジェクトの成功に向けて、受注側との責任範囲を明確に定義する必要があります。

プロジェクト開始後のRFP活用

RFPは、プロジェクト開始後も重要な参照文書として活用されます。発注側企業は、プロジェクトの進行状況を確認する際に、RFPに記載した要件や目標に対する達成度を評価します。

システム開発の過程で発生する変更要求についても、RFPに記載された当初の要件と比較することで、変更の妥当性や影響範囲を判断できます。受注側との認識齟齬を防ぐため、RFPの内容を共通認識として維持することが重要です。

プロジェクトの品質管理においても、RFPに記載した品質基準や評価方法を基準として、定期的な評価を実施します。発注側は、RFPで設定した目標達成に向けて、継続的なプロジェクト管理を行います。

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RFP作成時のチェックリストとテンプレート

RFP作成前の確認事項

RFPを作成する際には、事前準備として以下の確認事項を整理することが重要です。発注側企業は、自社の現状分析と課題の明確化を行い、プロジェクトの目的を具体的に定義する必要があります。

まず、情報システム導入の目的と期待する効果を明確にします。現在のシステムの課題や改善点を整理し、新しいシステムで実現したい機能や性能要件を具体的に定義します。

予算の確保状況と、プロジェクトの優先順位についても事前に確認します。発注者は、システム開発会社に対して現実的な要求を行うため、自社のリソースと制約を正確に把握する必要があります。

  • プロジェクトの目的と背景の明確化
  • 現状システムの課題と改善要求の整理
  • 予算範囲と期間の設定
  • 社内の承認プロセスと意思決定者の確認
  • 技術的制約と環境要件の把握

記載漏れを防ぐチェックポイント

RFPの作成時には、重要な情報の記載漏れを防ぐため、系統的なチェックを行います。発注側企業は、以下のチェックポイントを活用して、包括的なRFPを作成することができます。

技術要件については、システムの機能要件、非機能要件、インフラ要件を網羅的に記載します。また、既存システムとの連携要件や、データ移行に関する要件も重要な記載項目です。

RFPを作成する際には、発注側の要求だけでなく、受注側が提案しやすい情報も提供することで、より質の高い提案を得ることができます

  • 自社の基本情報と組織体制
  • プロジェクトの詳細要件と制約条件
  • 評価基準と選定プロセス
  • 契約条件と支払い条件
  • 提案書の提出方法と期限
  • 質問対応の方法と窓口

すぐに使えるRFPテンプレート例

効率的なRFPの作成を支援するため、基本的なテンプレート構成を提示します。発注側企業は、このテンプレートを参考に、自社の要件に合わせてカスタマイズすることができます。

RFPの構成は、概要説明から始まり、詳細要件、評価基準、提案条件の順序で記載します。各セクションでは、システム開発会社が理解しやすい形式で情報を整理し、具体的な提案を促進します。

業務委託の場合は、成果物の定義、品質基準、納期、保守・運用要件についても明確に記載します。発注者は、受注側との契約関係を明確にするため、責任範囲と役割分担を詳細に定義します。

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RFP作成に関するよくある質問(FAQ)

RFPの書き方で最も重要なポイントは何ですか

RFPの書き方において最も重要なポイントは、発注側企業の要求を明確かつ具体的に記載することです。抽象的な表現では、システム開発会社からの提案にばらつきが生じ、適切な比較検討ができません。

また、RFPを作成する目的を明確にし、プロジェクトの成功基準を定義することも重要です。発注者は、自社の課題解決に向けて、システム開発会社に対して十分な情報を提供する必要があります。

システム開発会社への依頼時に注意すべき点は何ですか

システム開発会社への依頼時には、技術的な専門知識の差を考慮し、双方が理解できる言葉で要件を記載することが重要です。発注側企業は、専門用語の使用を避け、具体的な業務プロセスや期待する成果物を明確に説明する必要があります。

また、複数のシステム開発会社から提案を受ける場合は、公平な条件を設定し、同じ情報を提供することで、適切な比較検討が可能になります。

見積依頼書とRFPの使い分けはどのようにすべきですか

見積依頼書とRFPの使い分けは、プロジェクトの性質と求める情報の違いによって決定します。単純な価格比較が目的の場合は見積依頼書を、詳細な提案と技術的な検討が必要な場合はRFPを使用します。

RFPとは、発注側企業が複数の候補から最適な提案を選定するための包括的な依頼書であり、見積依頼書よりも詳細な情報提供と評価が可能です

RFPを作成する際の期間はどの程度必要ですか

RFPを作成する際の期間は、プロジェクトの規模と複雑さによって異なりますが、一般的には2週間から1か月程度の期間が必要です。発注側企業は、社内の要件整理、関係者との調整、文書作成に十分な時間を確保する必要があります。

情報システム導入のような大規模プロジェクトでは、RFPの作成に2か月以上の期間を要する場合もあります。発注側は、プロジェクトのスケジュールを考慮し、適切な準備期間を設定することが重要です。

発注側企業が避けるべき失敗例にはどのようなものがありますか

発注側企業が避けるべき失敗例として、要件の曖昧さや不完全な情報提供が挙げられます。RFPに記載された要件が不明確な場合、システム開発会社からの提案にばらつきが生じ、適切な選定ができません。

また、現実的でない予算設定や期間設定も、プロジェクトの失敗要因となります。発注者は、市場相場を把握し、実現可能な条件を設定する必要があります。過度に詳細な技術仕様の指定も、システム開発会社の創意工夫を妨げる可能性があります。

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